音盤紹介:ホーレンシュタインによるマーラー/交響曲第3番
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音楽のこと
阪神地方は、
地震があったり豪雨があったりとなかなか大変です。
と思う間に例年より早く梅雨が明け、
いきなり夏の日差しに照らされて暑い思いをしています。
既に酷暑です。
西日本豪雨被災地の皆さんは音楽を聞くどころではないと思いますが、
一刻でも早く音楽が聞ける環境ができたら...
と、祈念しています。
店長も阪神淡路大震災の時には、
しばらく音楽を聞く環境も、
その気も起きませんでした。
「夏」というと、
マーラー/交響曲第3番の季節です。
第1楽章に最初、
「夏が行進してくる」という表題が付けられていたからでもありますが
(マーラーはその後、表題を削除しています)、
第3楽章のファンタジーの世界も、
なかなか夏に相応しいような気がします。
マーラー/交響曲第3番を初めて聞いたのは、
高校時代、NHK-FMのラジオでした。
バーンスタインの旧盤がCBS/SONYから復刻され、
それに合わせてFMで流れてきたものでした。
平日昼間の放送でしたので、
仮病を使って学校をさぼって聞きました。
悪い高校生です(^^;。
その同じ録音のLPを、
高校の音楽の先生が観賞用に買ってくれ、
店長がマーラー好きだということを知っている先生は、
店長に音楽室で全曲聞かせてくれました。
長い音楽ですが、
吹奏楽部が休みの日なのを幸い、
音楽室で大音量で聞きました。
懐かしい思い出です。
自分で購入した最初のマーラー/交響曲第3番のLPは、
日本ビクターから出ていた、
UNICORN盤ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮の2枚組でした。
UNICORNはイギリスのレーベルです。
高校を卒業して上京したての頃、
東京の神田神保町にあったミューズ社という中古盤屋で、
日本ビクター盤の中古LPを買いました。
浪人生でお金がない頃ですので、
ホーレンシュタインのLPを何回も何回も繰り返し聞きました。
そのLPはCD買い替えで手放してしまいましたが、
最近、
日本ビクターからトリオにUNICORNの販売権が移った頃の同曲のLPを、
中古盤で入手しました。
ジャケットの森の絵画は同じですが、
日本ビクター盤は絵の周りが黒、
トリオ盤は薄いベージュ色です。
実はこのホーレンシュタイン盤、
LPでもCDでも、
演奏は素晴らしかったのに、
その音に満足していたとは言えませんでした。
LPではオーケストラの音がどこか引っ込み気味で、
少し平板に聞こえるのです。
さらにCDは高域に偏った音で、
あまり感心できません。
そこで、
トリオ盤のイコライザーカーブをColumbiaに切り替えて聞くと...
おお!音が前に出てくるではありませんか!
それまでの不満が何だったんだろう?
と思えるくらいに立体的な音を楽しめます。
帯域もCDの偏った音に比べると極めて自然です。
UNICORN盤の音は雑誌などでも「平面的」と、
あまり評判がよくありませんでしたが、
イコライザーカーブが違っていたのです。
RIAAで聞くと、
聞き慣れた少し平板な音になります(^^;。
この長い交響曲を音量を上げて聞くと、
至福の時間が得られました。
演奏も大変優れていることを再認識しました。
最近入手した中古盤LPは、
第2面と第3面にピチパチノイズがありましたが、
しっかり洗浄するとそのノイズがなくなり、
前の持ち主は第2面(第1楽章の終わりと第2楽章)、
第3面(第3楽章と第4楽章のアルトソロ)を、
あまり聞かずに放っておいたな...
ということが如実に分かります(^^)。
まぁ、人によっては退屈な音楽ですから。
最もマーラーらしい楽章ではあるのですが。
第3楽章は、
テンシュテットやレヴァインの物語性に富んだ演奏ではありませんが、
バンタで吹かれるトランペット(フリューゲルホルン)は素晴らしい響きです
(スコアではポストホルン)。
第5楽章の少年合唱と女声合唱も自然で、
第6楽章では音による救済のドラマと、
ホーレンシュタインの温かみが伝わってきます。
最後の盛り上がりではどこかに連れてゆかれそうになりますね(^^)。
今は、
他にも優れたマーラー/交響曲第3番の録音が増えましたが、
自分にとって原点ともなるホーレンシュタイン盤に、
久々、はまってしまったのでした。
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