音盤紹介:クルムホルツのハープ音楽
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音楽のこと
明けまして、おめでとうございます。
あらいぐま堂のブログは2016年初更新です。
店長もお正月はゆっくり過ごしました。
だいたい、例年1月1日は、
ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲を聞きます。
今年は、
出たばかりのORFEO盤ハンス・クナッパーツブッシュ指揮の、
1960年バイロイト・ライヴ録音を堪能しました。
以前にも、他レーベルからリリースされていましたが、
今度のORFEO盤は非常に音がよくなっており、
聞き応えがありました。
その他、いろいろと聞きましたが、
お正月はお酒が入っていることも多いので、
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を除くと、
比較的軽めの室内楽を中心に聞きました。
その中で店長の第一のお気に入りは、
ジャン=バプティスト・クルムホルツのハープ音楽です。
クルムホルツはハイドンに師事したこともある、
ロココ様式の音楽の作曲家です。
当時のロココ音楽は王族や貴族の慰め音楽でしたから、
声高になることなく、
またベートーヴェン以降の緊張感のある音楽でもなく、
特にクルムホルツの音楽は、
染み入るように優しく耳を洗ってくれます。
日本は、今、王侯・貴族の時代ではなく、
庶民が中心で、
なお平和な時を過ごせていますが、
ロココ音楽は平和な時代にぴったりです。
クルムホルツのほかに、
ヨハン・バプティスト・ヴァンハルという、
素敵な作曲家もいました。
残念ながら、クルムホルツやヴァンハルの音楽は一般的ではなく、
レコードやCDになった録音も数が少なく、
もっと聞きたいなぁ...と思ってもなかなか入手できません。
ロココ音楽はハイドンやモーツァルト以外、
緊張感のない、
貴族趣味の音楽と一段低く見られている傾向があり、
余計にリリース量が少ないかもしれません。
でも、
ロココ音楽の素敵な響きを聞き始めると、
元は王侯・貴族のための音楽であれ、
大変魅力的なことは確かです。
貴族趣味であろうと庶民趣味であろうと、
それはどうでもいいくらいに、
聞き手に寄り添ってくれます。
新年は、
クルムホルツの優しい音楽でひと時を過ごせたのでした。
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