音盤紹介:セルによるベートーヴェン/交響曲第9番
公開日:
:
最終更新日:2015/10/03
音楽のこと
今年も早10月、
年末がだんだんと近づいてきました。
年末になると、ベートーヴェン/交響曲第9番の季節です。
まえに、第9を取り上げたことがあったのか、
記憶の彼方になってしまいましたので、
ダブってもいいや、と、今回は第9を取り上げます。
店長が子供の頃は、
交響曲第5番が「運命」と呼ばれ、
最初に聞いたベートーヴェンの楽曲がその「運命」であった...
という人も多いのではないかと思います。
店長もそうでした。
誰の演奏か忘れてしまった17cm33回転2枚組LP(シングル盤の大きさ)からでしたが、
とにかく「運命」から始まりました。
でも、昨今は第9から...という人が多いかもしれません。
年末の風物詩とともに、
第9がそれだけポピュラーになったといえるのかも知れません。
第9はコンサートも音盤もそれこそイヤというほど聞いてきましたが、
音盤で一番思い出に残っているのは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のCBS盤です。
この演奏録音は年末になるとたまに聞きますが、
やはり、凄い演奏だな、と思います。
セル盤にはフルトヴェングラーやクレンペラーのドラマはありませんが、
少し速めのテンポのエネルギッシュな演奏で、
第1楽章から第4楽章まで、間然とすることなく聞くことができます。
第3楽章などは、さすがにフルトヴェングラーなどの演奏の方が好きですが、
第1楽章の息せき切るように始まり、やがて雷が落ちるような響きは、
セル盤は今もって大好きな演奏録音です。
有名な「合唱付き」第4楽章も素晴らしく、
子供の頃から聞いてきたセル盤の影響は、
店長の中に今でも残っているようです。
セルが亡くなって、早いものですでに45年です。
セルが亡くなってから、
本当の意味での恐い指揮者は少なくなってしまったのかも知れません。
セルは今では地味な過去の指揮者になってしまいましたが、
もっと聞かれてもいい指揮者ではないかと、
折につけ、感じてしまいます。
関連記事
-
音盤紹介:アーノルト・ロゼによるヴァイオリン
店長は新しい録音も好きですが、 古い録音も大好きで、 ヒストリカル・レコーディング...
-
音盤紹介:ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団によるフォーレ/弦楽四重奏曲
室内楽は地味ですが、 長くクラシックを聞いていると、 その魅力から逃れられなくなります。
-
音盤紹介:ロス・アンヘレスBOX
ビクトリア・ロス・アンヘレスは、 フリューベック・デ・ブルゴスのファリャや、 アンドレ・
-
音盤紹介:クナッパーツブッシュによるコムツァークⅡ世「バーデン娘」
ウィンナ・ワルツは、 日本では(実際は世界中ですが) ウィーン・フィルのニューイヤーコン
-
音盤紹介:カピュソンによる映画音楽「CINEMA」
年末近くになると、 どういうわけか、 クラシックのソロ奏者による「映画音楽集」が出てきま
-
訃報:アーノンクールによるモーツァルト/「ジュピター」
ニコラウス・アーノンクールが亡くなったそうです。 86歳ですので、高齢といえば高齢です。
-
音盤紹介:カラヤンによるマーラー/交響曲第5番
先日、マーラーの誕生日だということで(7月7日)、 交響曲第5番を筆頭に、 同曲をあれこ
-
音盤紹介:トスカニーニによるチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」をLPで聞く
今まで180cmラックの上の棚に置いていたLPプレーヤー、 部屋の模様替えで下におろしたら
-
音盤紹介:シェルヘンによるベートーヴェン/交響曲第8番
ベートーヴェン/交響曲第8番って、 それほど積極的に聞こうという人は少ないのではないでしょ
-
音盤紹介:セルによるドヴォルザーク/交響曲第8番
ドヴォルザーク/交響曲第8番は、 最初に出版された国にちなんで「イギリス」とも呼ばれますが