音盤紹介:ロト指揮レ・シエクルによるフランスの作曲家による「スペイン」
公開日:
:
音楽のこと
フランソワ=グザヴィエ・ロトという指揮者と、
レ・シエクルというオーケストラはあまり馴染みがありませんでしたが、
昨年末に発表された「レコード芸術」誌の、
レコード・アカデミー賞に選出されています。
その時の楽曲は、
ストラヴィンスキー「春の祭典」、「ペトルーシュカ」でした。
店長はその時のCDを試聴しましたが、
あまり関心がわかず、購入までにはいたっていません。
レ・シエクルは古楽器での演奏で、
古楽器演奏もここまで来たか...という印象はありましたが。
次にリリースされたのが、
フランスの作曲家によるスペインを描いた楽曲群です。
シャブリエ/狂詩曲「スペイン」
マスネ/歌劇「ル・シッド」~バレエ組曲
ラヴェル/「道化師の朝の歌」
ドビュッシー/管弦楽のための「映像」~イベリア
という、非常にそそられる楽曲群が収録されています。
なにより、
店長には、シャブリエ/「スペイン」が入っているだけで、
辛抱ができなくて購入してしまいました。
シャブリエ/「スペイン」が大好きなのです。
その「スペイン」も良かったですが、
他のマスネの楽曲のビロードのような感触、
そして、ラヴェルとドビュッシーは非常に新鮮で、
とても気に入ったアルバムになっています。
特にラヴェルは素晴らしいですね。
それに、なにより日程は違えど、
すべてライヴ録音だというから驚きです。
昔、フランス・ブリュッヘンが
PHILIPSにベートーヴェンを録音し始めたとき、
古楽器オーケストラで有効なのは、
ベートーヴェン/交響曲第3番「エロイカ」まで
(その割りにブリュッヘンはベートーヴェンはおろか、
メンデルスゾーンなども録音していますが)、
ということを言っていて、なるほど...と思ったことがありますが、
今やロジャー・ノリントンなどの活躍もあり、
近代音楽はおろか現代音楽にいたるまで、
古楽器オーケストラで演奏、録音が行われるようになっています。
現代のオーケストラを聞きなれた耳には、
良い場合は響きが鮮烈に聞こえ、
悪い場合は響きが軽く物足りなく聞こえます。
まあ、いろいろな響きで、
作曲された当時どういう響きがしていたのか?
という問題は抜きにしても(店長はあまり是首していません)
いろいろな楽曲を聞けるのは大変いいことだと思います。
ロト指揮レ・シエクルの、
「フランス~スペイン」と題されたこのアルバムは、
聞いていて、非常に気持ちがいいのは確かです。
関連記事
-
-
音盤紹介:バルビローリによるマーラー/交響曲第5番
このところ、LPの復活が凄まじいですね。 オーディオ・アクセサリー誌やステレオ・サウンド誌
-
-
音盤紹介:クナッパーツブッシュによるブルックナー/交響曲第8番
クナッパーツブッシュのブルックナー、 セッション録音ばっかり取り上げてきましたので、 今
-
-
音盤紹介:反田恭平によるリスト/ピアノ曲集
お盆から更新が滞ってしまいました。 忙しかったせいもありますが、 やはり暑さに少し負けて
-
-
音盤紹介:クレンペラーとリフキンによるバッハ/「ロ短調ミサ曲」
J.S.バッハ/「ロ短調ミサ曲」は、 ひとつの目的のために全曲が作曲されたわけではなく、 さ
-
-
音盤紹介:マリナーによるディーリアス/管弦楽曲集
2015年、今年の夏は暑いです。 阪神地方は、まだほんの少しましのようですが、 ニュース
-
-
音盤紹介:安田里沙さんによる「Lisztへのオマージュ」
LP時代から、 演奏者や楽器製造会社(多くはピアノですね)などから、 自主制作盤が数多く
-
-
音盤紹介:ワルターによるマーラー/交響曲第9番
マーラー・ネタが続きます。 これもまた古い録音ですが、 交響曲第9番、 ブルーノ・ワル
-
-
音盤紹介:フルトヴェングラーによるワーグナー/「トリスタンとイゾルデ」
ワーグナー/「トリスタンとイゾルデ」は、 今聞いても、かなり危険なオペラです。 その豊饒
-
-
音盤紹介:ゼルキン=小澤によるベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」は、 ピアノ協奏曲では最後の作品ですが、 ベー