音盤紹介:レヴァインによるマーラー/交響曲第3番
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音楽のこと
5月だというのに暑いですね。
大阪も30度を越え、
初夏というより真夏の暑さです。
夏といえば、
マーラーの交響曲第3番も、
最終的には表題なしになりましたが、
「夏の交響曲」とか「夏の夜の夢」と呼ばれることもあります。
特に、第1楽章にマーラーが
「夏が行進してくる(バッカスの行進)」と表題をつけていたことから、
まさに夏をイメージして作曲した楽曲だといえます。
マーラーは夏になるとオーストリアの山間部にあるアッター湖畔で夏休みを過ごし、
指揮者である身体を休めるとともに集中して作曲作業を行いました。
マーラーは交響曲第3番を、
「アッター湖畔に来なくても、この楽曲に全て込められている」
と言ってます。
店長は同曲を聞き始めた頃、
この第1楽章を葬送行進曲と勘違いしていました。
でも、曲想が明るく輝かしくなり、
「どうも葬送行進曲ではないようだ」と思っていたとき、
「夏が行進してくる」という表題と、
写真で見ても風光明媚なアッター湖畔のイメージを重ね合わせ、
「なるほど、こういう音楽だったのか」
と合点したことがあります。
交響曲第3番はアルト、少年合唱、大規模な管弦楽を必要とすることから、
日本ではなかなか演奏の機会に恵まれませんでした。
それに、交響曲全体が長いですし…。
レコードはあれこれ出ていました。
店長が最初に聞いた交響曲第3番のレコードは、
レナード・バーンスタインの旧全集盤です。
FMで放送されると知って仮病を使って学校をサボり、
布団の中で小さなラジオで聞きました。
さらに高校の音楽の先生がレコードを買ってくれ、
音楽室で聞かせてもらいました。
自分で最初に買った交響曲第3番のレコードは、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮ロンドン交響楽団盤でした。
以後、2枚組でレコード自体が高価でなかなか次を買えませんでしたが、
ホーレンシュタイン盤の次に買ったのが、
ジェイムズ・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団盤でした。
このレコードが非常に思い出深く、
レヴァイン盤の後レコードでは
ハインツ・レーグナー、
ガリ・ベルティーニ
クラウス・テンシュテット、
クラウディオ・アバドの旧盤を入手、
テンシュテット盤が今でもLP時代からの一番のお気に入りです。
CD時代になってからもバースタインの新盤やアバドの新盤、
サロネンやシャイーなど、
好きな楽曲なだけに手当たり次第…というところがあります。
大好きなテンシュテット盤はかなり軋轢型の演奏で刺激が強く、
第3番を聞こうと思うと、
今でもレヴァイン盤を引っ張り出すことが多いです。
レヴァイン盤はオーケストラも見事に優秀で、
録音は当時のRCA独特の少しすべるような音ですが、
レヴァインの指揮は音楽に余裕があって聞き疲れしません。
第3番は
第1楽章、
第2楽章と第3楽章、
第4楽章から第6楽章…と、
3部に分かれているようで(マーラーの想定では2部)、
機会に応じて分けて聞いてもよさそうです。
第3楽章「森の動物たちが私に語ること」がメルヘンで素晴らしく
(レヴァイン盤CDのジャケットは第3楽章のイメージにピッタリです)、
第6楽章「愛が私に語ること」の長いアダージョも素敵ですが、
店長は、「夏」(初夏と言ったほうがぴったりです)というと、
真っ先に第1楽章が聞きたくなるのでした。
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