音盤紹介:ホグウッドによるヴィヴァルディ/「四季」
公開日:
:
最終更新日:2016/03/24
音楽のこと
ヴィヴァルディ/「四季」は、
「和声と創意への試み」という協奏曲集に含まれている4つの協奏曲で、
「春」「夏」「秋」「冬」それぞれ3つの楽章から成っています。
「四季」という題名はヴィヴァルディがつけたものではないそうですが、
それぞれにソネットがついているそうですので、
そのソネットの季語から「四季」という題名が生まれたのかもしれません。
この辺りは店長はまったくの浅学のため、
よく分かりません。
「四季」はステレオが普及しはじめた頃、
クラシックを少しでも聞く家庭なら「一家に一枚レコードがある」的な、
非常にポピュラーな楽曲でした。
それも、ほとんどが
フェリックス・アーヨのヴァイオリン、イ・ムジチ合奏団による演奏録音で、
驚くほど普及していました。
どこのお宅に行ってもあったような…。
ただ、店長はへそ曲がりですので、
クラシックを聞き始めた頃、
カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団のDECCA盤を
聞いていました。
ただ、ミュンヒンガー盤はいかにもドイツ風の固めの演奏で、
イ・ムジチ盤を買った後、
やっぱりイ・ムジチの方がいいなあ...と思ったりしましたが。
以来、数が多いことは確かですが、
「四季」をどれくらい聞いたのか憶えていません。
イ・ムジチ合奏団は「四季」をアーヨ版の後も何回か録音していますので、
それを含めて、
カラヤン盤、小澤盤、パイヤール、マリナー盤やイタリア合奏団盤、
アーノンクール、イル・ジャルディーノ・アルモニコやファビオ・ビオンディなど、
新しいものも古いものも含めて、
あれこれ「四季」を聞いて楽しんできました。
アーノンクール盤が今まで聞いた中で一番革新的で刺激的だったかな?
さらに、ヴァイオリニストであれば、
一度は「四季」に挑戦するものかもしれません。
そういえばクレーメルやムター盤もあったし、
日本のヴァイオリニストによる「四季」もあれこれ聞きましたっけ。
でも、自分のイメージに合う「四季」にはなかなか出会えず、
今まで聞いたものの中でのお気に入りは、
ヘンリク・シェリングがイギリス室内管弦楽団と演奏した録音(確かPHILIPS)と、
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団の録音です。
特にホグウッド盤はLP時代に接してから、
「四季」を聴く上では、
最もターンテーブル(今だに当時のLPを持っています)や、
CDプレーヤーのトレイに入る一番のお気に入り盤です。
ホグウッド盤は古楽器による演奏録音ですが、
それほど新しいことをやっているという、
刺激的な演奏ではありません。
むしろ、瑞々しくて、
しかも、造形がしっかりしている割にはおとなしやかな「四季」で、
録音も清々しく、
これは何回聞いても飽きませんでした。
今でもホグウッド盤が一番好きかな?
通奏低音にリュートが使われていたり
(トレヴァー・ピノック盤も確かリュートが使われていたと記憶しています)、
それまで聞いてきた「四季」とは違った楽しみもあります。
ほとんど誰でも知っている「四季」のメロディを、
新しい斬新な演奏で聞くのも悪くありませんが、
あまりに新奇にやりすぎると珍奇になってしまいます。
やはり安定した瑞々しさはぜひ欲しいですね。
関連記事
-
音盤紹介:ミュンシュによるドビュッシー/「海」
たいへん暑いですが、 もうすぐ夏の海の季節は終わります。 お盆が終わると、 関西方面の
-
音盤紹介:マタチッチによるブラームス/交響曲第3番
ブラームス/交響曲第3番は、 ブラームスがかなり年齢を重ねてから、 年若い女性に恋をした
-
音盤紹介:チッコリーニによるフランク/ピアノ曲集
セザール・フランクという作曲家は、 「交響曲」とヴァイオリンソナタのCDがやたらと多く、
-
音盤紹介:ショルティによるベートーヴェン/交響曲第5番
ハンガリーで生まれたゲオルグ・ショルティは、 つい最近亡くなったような印象があったのですが
-
音盤紹介:セルによるベートーヴェン/交響曲第5番ライヴ
ベートーヴェン/交響曲第5番って、 最近聞かれるのだろうか? と疑問を呈しましたが、
-
音盤紹介:テンシュテットによるワーグナー/「ワルキューレ」第1幕
ワーグナー「ニーベルンクの指環」は4部作のオペラで、 休憩日を挟み、4日かけて上演されます
-
音盤紹介:ワルターによるドヴォルザーク/交響曲第8番
ブルーノ・ワルターという指揮者は、 店長が子供の頃からあれこれ聞いてきた指揮者です。 店
-
音盤紹介:クレンペラーによるブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」
ブログをやっていて面白いのは、 ブルックナーやマーラーを取り上げると、 PVが跳ね上がる
-
音盤紹介:クナッパーツブッシュによるベートーヴェンの新盤
ORFEOから、 ハンス・クナッパーツブッシュの、 新しいCDがリリースされました。
-
音盤紹介:バティアシュヴィリによるベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲は子供の頃から大好きで、 よく昼間に聞くのですが、 子