音盤紹介:安田里沙さんによる「Lisztへのオマージュ」
公開日:
:
最終更新日:2015/03/28
音楽のこと
LP時代から、
演奏者や楽器製造会社(多くはピアノですね)などから、
自主制作盤が数多くリリースされてきました。
一般には目に付きにくいので、
なかなか入手が難しい面はありますが、
多くはお披露目的なものが多く、
店長もあれこれ聞いてきましたが、
記憶に残ったり、
後に一般流通する形でリリースされ直すものは少ないです。
また、一般流通のJクラシックとしてリリースされている録音も、
リリース時に話題性はあっても、
「では繰り返し聞くか?」ということになると、
1回聞いてそれで終わり、という残念なものも数多くあります。
札幌出身の安田里沙さんの、
「Lisztへのオマージュ」というCDも、
安田さんの自主制作の形でリリースされました。
店長は2月にフェイスブックでそのリリースを知り、
amazonで入手できると分かって、
早速、注文して入手しました。
以来、何か聞きたいときにちょっと聞く、
というBGM的な聞き方で何回もCDプレーヤーのトレイに載せたのですが、
あるとき、ちゃんと聞こう…と、
STAXのイヤースピーカーで全曲をモニターしてみました。
すると、このCDに録音された音の良さに驚くことになってしまいました。
ひじょうに優れた録音です。
録音された音も良いですが、
演奏も清々しく、
凛とした空気感を感じられて、
非常に良い演奏です。
リスト/「カンパネラ」から、
その清楚で凛とした演奏も大変素晴らしいですが、
「ハンガリー狂詩曲第2番」では、
まじめな中にも弾んだ楽しさがあり、
聞き応えがあります。
その他、小品や「巡礼の年」からの楽曲を含め、
最後まで美しくも楽しい仕上がりになっています。
このようなCDは誰かが紹介しないと目に付かないので、
紹介しておきます。
リストの超絶技巧の楽曲を聞く…というより、
リストのより叙情的な面を聞く、
ということでは、瑞々しく愛聴盤になりうるCDです。
今のところ、一般のCDショップでは入手できませんが、
amazon、CDのネットショップ「アリアCD」さんで入手可能です。
なくなってしまう前に是非盤でお薦めします。
関連記事
-
-
訃報:デヴィッド・ボウイ
ピエール・ブーレーズの訃報に接したと思ったら、 新年早々、デヴィッド・ボウイが亡くなった、
-
-
音盤紹介:グールドによるバッハ/「パルティータ」LP実験編
大昔、J.S.バッハの鍵盤音楽と言えば、 グレン・グールド! という時代がありました。
-
-
音盤紹介:マッケラスによるドヴォルザーク/交響曲第7番
店長の最近の音楽の聞き方は、 ドヴォルザーク/交響曲第7番が中心、 その他少々になってい
-
-
音盤紹介:チッコリーニによるフランク/ピアノ曲集
セザール・フランクという作曲家は、 「交響曲」とヴァイオリンソナタのCDがやたらと多く、
-
-
音盤紹介:カラヤンによるR.シュトラウス「アルプス交響曲」
夏といえば、 「登山」という人も多いのではないでしょうか? 遭難事故がないのを祈るばかり
-
-
音盤紹介:ロト指揮レ・シエクルによるフランスの作曲家による「スペイン」
フランソワ=グザヴィエ・ロトという指揮者と、 レ・シエクルというオーケストラはあまり馴染み
-
-
音盤紹介:テンシュットによるマーラー/交響曲第1番1990ライヴ
一時、「マーラー・ブーム」といわれるほど、 マーラーの交響曲の録音が増えたことがありました
-
-
音盤紹介:ベルティーニによるマーラー/交響曲第4番
ガリ・ベルティーニは2005年に77才で亡くなりましたので、 2017年の今、もう12年も
-
-
音盤紹介:アンセルメによるチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
今年の正月元旦、 ネット通販で買った エルネスト・アンセルメの3つのボックスが届きました
-
-
音盤紹介:モンポウによるモンポウ/ピアノ曲集
夏から初秋にかけて、 まだまだ暑く、けだるい日が続きます。 そう、夏祭りや花火大会のにぎ