*

音盤紹介:クレンペラーによるブラームス/交響曲第4番

公開日: : 音楽のこと

c201891b

ブラームス/交響曲第4番は第1楽章の泣き節で有名ですが、
そのほかの楽章も素晴らしく魅力に富んだ楽曲です。

店長がまず聞いたのは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のCBS盤でした。
LP時代のマスタリングが独特で、
このLPには長い間お世話になりました。
次は、同じCBS盤のブルーノ・ワルター盤でした。
だいたい、この2枚で育ってきたようなところがあります。

そこに聞いたのが、
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの1943年ライヴ録音で、
そのLPは廉価盤だったため、
古い録音にもかかわらず購入したのですが、
これには驚きたまげました。
フルトヴェングラーはベートーヴェンよりも、
よりブラームスに相応しいのではないかと思ったほどです。
フルトヴェングラーのブラームスの威力はすさまじく、
店長は若い頃にフルトヴェングラーの古い録音にはまり、
フルトヴェングラーの残されたブラームスを
ほぼすべて漁る結果になってしまいました。

おじさんになってもブラームスはよく聞きますが、
第4番で決定的ともいえる録音に出会ったのは、
CD時代になってからでした。
オットー・クレンペラー指揮バイエルン放送交響楽団の
1957年9月27日の録音です。

クレンペラーのブラームスは、
同年、EMIへのフィルハーモニア管弦楽団とのセッション録音が残されており、
ステレオ録音でもあり、そちらをLP時代からも聞いていたのですが、
バイエルン放送交響楽団との録音を聞いて、
この指揮者の凄さに改めて気づかされました。
特に、第2楽章と第4楽章がとてつもない名演で、
店長はこのクレンペラーとバイエルン放送交響楽団を聞いて、
第2楽章の本当の魅力に触れ得たと思っています。
もう、涙なくしては聞けない第2楽章です。
第4楽章も極めて充実しています。

クレンペラーには、
ほかに1954年のデンマーク王立管弦楽団との
推進力にあふれた第4番の録音も残っていますが、
店長には、このバイエルン放送交響楽団との録音が随一です。

この録音は残念ながらモノラルです。
モノラルですが少しステレオプレゼンスが加えられ、
聞きやすい音になっています。
さらに残念なことに、第4楽章で、
かすかに何かのアナウンスと音がかぶります。
おそらく、当時のやりくりテープで消磁が完全でなかったか、
エアチェックのため混信した、ということも考えられますが、
一応、CDでは放送局音源となっていますので、
やりくりテープのためだっただろうな、と想像しています。
また、第4番では最後の拍手が収録されていませんので、
コンサートの記録かゲネラルプローベの記録か判然としません。

そんな録音のキズも何のその、
一度この録音を集中して聞くと、
ブラームス/交響曲第4番の魅力と、
セッション録音では味わえない、
クレンペラーの凄さの両方を感じ取れるに違いありません。
ブラームス/交響曲第4番では一押しです。

関連記事

音盤紹介:カーゾン&ウィーン・フィル四重奏団によるフランク/ピアノ五重奏曲をLPで聞く

LPが復活しそうと言われて久しいですが、 売れているのでしょうか? よく分かりません。

記事を読む

音盤紹介:安部なつみ「光へ」

店長はこのところ、 ヘッドフォンやいろいろな音響機器のテストをやっていますが、 普段、リ

記事を読む

音盤紹介:ベームによるモーツァルト/「レクイエム」

モーツァルト/「レクイエム」は、 以前にクリスティ盤を取り上げましたが、 今回は名盤中の

記事を読む

音盤紹介:クナッパーツブッシュによるベートーヴェンの新盤

ORFEOから、 ハンス・クナッパーツブッシュの、 新しいCDがリリースされました。

記事を読む

音盤紹介:ビーチャムによるシューベルト/交響曲第5番

春になると店長が聞きたくなる楽曲、 シューマン/交響曲第1番を前回取り上げましたが、 今

記事を読む

音盤紹介:VENIASによる「ロヴロ・フォン・マタチッチ 1954-1962」

ロヴロ・フォン・マタチッチは、 店長のような世代のクラシックファンには、 NHK交響楽団

記事を読む

音盤紹介:マタチッチによるブラームス/交響曲第3番

ブラームス/交響曲第3番は、 ブラームスがかなり年齢を重ねてから、 年若い女性に恋をした

記事を読む

訃報:ピエール・ブーレーズ

フランスの作曲家・指揮者ピエール・ブーレーズが1月5日、 亡くなりました。 もうすぐ91

記事を読む

音盤紹介:トスカニーニによるチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」をLPで聞く

今まで180cmラックの上の棚に置いていたLPプレーヤー、 部屋の模様替えで下におろしたら

記事を読む

音盤紹介:ブーレーズによるストラヴィンスキー/「火の鳥」(1910編曲版)

暑い!と書いても、 暑さは去りませんので、 今回はさらに暑そうなジャケットの演奏録音。

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ARGENTUM 520 試聴記 その2

デビュー当時の一時期、 飛ぶ鳥を落とすほどの勢いがあっても、

ARGENTUM 520 試聴記 その1

ARGENTUM 520が我が家に届いて、 早速、普段いろいろモ

QUADRAL ARGENTUMシリーズ販売開始...ただし、楽天とYahoo!です

あらいぐま堂を中心に販売する、 QUADRALの新しいスピーカー、A

ヤフオクでHAMILEXのTVボードを販売中です

あらいぐま堂では楽天、Yahoo!ショッピングストア、amazon

また、新しいフォノイコライザーを買ってしまった

MUSICA RAICHO3 PHONO、合研LAB GK06SP

→もっと見る

PAGE TOP ↑