JR-SOUND EQA-202を聞いてみた
公開日:
:
最終更新日:2019/06/24
オーディオ
JR-SOUNDのCOLIS EQA-202試聴機を預かりました。
何回かJR-SOUNDのヘッドフォンアンプは試聴して取り上げ、
店長はHPA-101ユーザーになってしまいましたが、
今回はフォノイコライザーアンプです。
店長が今使っているフォノイコライザーは、
イコライジングカーブ切り替え式ですが、
EQA-202はRIAAカーブ1本です。
フォノイコライザーの設置はいたって簡単で、
早速、EQA-202を普段使いのフォノイコライザーと入れ替えてみました。
カートリッジは定番DENON DL-103、
レコードプレーヤーはオーディオテクニカの新しいマニュアル機、
ALT-5です。
どちらもそれほど高額な製品ではありません。
どちらかというと貧乏オーディオ(^^;。
古いLPはステレオであっても、
イコライジングカーブそのものがRIAAと異なる場合が多いですので、
比較的新しいLPを再生してみました。
EQA-202では、
だいたいどれを聞いても、
圧倒的に安定した「音」を聞けます。
ウィリアム・アッカーマン:
「パッセージ」
店長が持っているLPは国内盤ですが、
WINDAM HILLの出始めたころのLPは音が非常にいいですね。
それに内袋やジャケットを含め、
製作が非常に丁寧で好感が持てます。
EQA-202ではいつも使っているフォノイコライザーよりも、
少し元気な音で、
マイクが拾ったアコースティックギターの音を、
すぐそばで演奏しているように聞かせてくれます。
このLPは多くの場合、
色々な機器の試聴では最初に聞く、
リファレンスとして使うのですが、
EQA-202は余裕で合格です。
非常に細かなギターの音まで再現してくれます。
イヴァン・モラヴェッツ:
「ショパン・リサイタル」
録音が良いということで、
マニアには名高いコニサー・レーベルの国内盤LPです。
このLPは非常に音が良いです。
イコライジングカーブ切り替え式フォノイコライザーでも、
このLPはRIAAが最も自然でしたので、
これは期待が大きいです。
そして...聞いて驚愕!
なんという繊細さ、なんというダイナミックレンジ、
なんというFレンジ...というところでしょうか。
これはもう、素晴らしいの一言!
モラヴェッツの、
非常に注意深いピアニズムが堪能できます。
ため息が出るほど美しいピアノが聞けます。
ジェルメーヌ・ティッサン=バランタン&ORTF弦楽四重奏団
フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番
TRIOからリリースされていた、
CHARLINの国内盤です。
CHARLIN=シャルランはワンポイントステレオマイク録音で有名な、
フランスのレコーディングエンジニア、アンドレ・シャルランの名前です。
シャルランは他のレーベルにも録音していましたが、
“CHARLIN”をレーベル名として少なからずLPをリリースしていました。
「CHARLINなら何でも買う」というファンも多かったのではないでしょうか?
ただ残念ながら、
CHARLINのマスターテープの多くは紛失してしまったそうで、
CDではLPからの復刻が多く、
その再生された音が問題で、
なかなかワンポイントステレオマイク録音の真価を聞けませんでした。
LPでは国内盤とは言え、
さすがに音場感、Fレンジとも素晴らしいですね。
EQA-202の安定した音で、
安心して聞いていられます。
ただ、イコライジングカーブはRIAAではありません。
その点では少し不満。
ルドルフ・ゼルキン&小澤征爾
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
TELARCもワンポイントステレオのデジタル録音のアメリカでの嚆矢として、
非常に評判の高かったレーベルです。
CHARLINはアナログ録音でしたが、
こちらはデジタル録音です。
特にエリック・カンゼル指揮チャイコフスキー「1812年」は、
そのレコードの溝の凄まじさで、
レコードファンに恐怖をもたらしました。
「ちゃんとトレースするか?スピーカーを飛ばさないか?」なんて。
スピーカーを飛ばして喜んでいた輩も結構いたんでは(^^;。
ゼルキン&小澤の「皇帝」は、
その点問題はありません。
レコーディングされたホールの関係からか、
ホールエコーを含め、
独特の音のするLPです。
これもまた、
EQA-202を通して聞くと、
「あ!これが真正な音なのか!」と頓悟してしまうほど、
圧倒的な音のよさと安定感です。
包み込まれるようなオーケストラとホールエコー、
その中からピアノが存在感を持って聞こえてくる、
稀有の名録音でもあります。
RIAAでも遜色なく聞くことができました。
カール・リヒター
「バッハ・オルガン・リサイタル 1」
この録音はCDでも持っていますが、
国内盤LPをDL-103、EQA-202で聞くと、
全く別物のように非常に細かなオルガンの音色が堪能できます。
これもイコライジングカーブの実際はFFRRだと思うのですが、
EQA-202でRIAAで聞いても、
非常に優れた録音であったことが分かります。
リヒターのフレーズごとに変えるストップの音が見事にとらえられており、
その音色の変化を素晴らしいリニアリティで聞くことができます。
聞き慣れた「トッカータとフーガ ニ短調」が、
非常に新鮮に聞こえてきます。
オイゲン・ヨッフム&ベルリン・フィル
ブルックナー:交響曲第1番
ヨッフムによる2種類あるブルックナー交響曲全集の最初の録音です。
これもまたイコライジングカーブはRIAAではないと思うのですが、
RIAAでも充分聞けます。
このLPをEQA-202+DL-103で聞くと、
正に天国的な響きの美しさに、
陶然とした思いで聞くことができました。
非常に美しいオーケストラの録音です。
その他、ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスの歌曲集や、
フランスプレスのカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの、
モーツァルト:レクイエムなども聞いてみました。
EQA-202の圧倒的な安定感と解像度、そしてチャンネルセパレーションは、
カートリッジの性能を遺憾なく聞かせてくれます。
これはアナログレコードファンは一度聞くと欲しくなちゃいますねぇ(^^;。
あらいぐま堂楽天でご購入可能です。
楽天 EQA-202
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