前回に続いて、
録音済みの古いカセットテープを如何にすればうまく再生できるか?
ということをやっています。
PCに音を取り込んで加工、保存してゆきます。
やり方:
1.
カセットデッキからPCに音を取り込めるように、
アナデジコンバーターを使い、
AUDACITYというソフトウェアで録音します。
フォーマットは加工できるようwavファイルにします。
多くのアナデジコンバーターのメーカーが添付しているソフトウェアは、
AUDACITYが多いようです。
フリーソフトですので、
アナデジコンバーターを買わなくても、
あちこちからダウンロードできます。
他にも、音をPCに取り込むコンバーターやソフトウェアはいろいろあります。
店長のは非常に安価な製品です。
AUDACITYよりも優秀なソフトウェアもあるようです。
2.
PCに取り込んだwavファイルを、
AUDACITYの「イフェクト」の「イコライゼーション」で、
RIAAカーブを選び、反転をかけます。
録音特性を逆にしないで、
そのまま別のカーブを被せると、
低域が倍加され、
非常に具合の悪い音になります。
これは、テープだけではなく、
レコードやCDの音を加工するときも同じです。
カセットテープは、
やっぱりテープだから、
元はNABカーブかな?と思って、
NABで反転をかけてもそれほどいい音にはなりません。
たぶん、
オーディオ機器がRIAAで統一設定されていたためと思われます。
3.
RIAAカーブで反転すると、
シャカシャカした音になりますので、
そのシャカシャカした音に、
他のイコライザーカーブを普通の状態で当ててみます。
本来は、LPをオーディオ機器で再生する機械上の作業とは、
反対の作業でもあります。
LPやCDの音を変えるときには必須の作業ですが、
テープでも生かしてみます。
今のところ、帯域の狭いカセットテープは、
AESカーブを当てると、
狭い帯域から音が拡がり、
結果は良好です。
ただ、録音状態やデッキによって異なりますので、
あくまで店長の機材、録音状態では...ということになります。
また、AUDACITYのデフォルトでは、
レコード用イコライザーカーブはRIAAしかありませんが、
LPのさまざまなカーブ、
SPのさまざまなカーブが、
有志によって作られていますので、
AUDACITYのライブラリからダウンロード、
取り込むことができます。
自分で作ることもできます。
New Ortophonicというカーブは自分で作り、
取り込みました。
古いSPの復刻盤LPやCDを加工するときには、
SPのカーブが重宝しますが、
それはまた別の機会に。
4.
ノイズリダクションでコーティングされたテープは、
録音したデッキとは別のデッキでも、
同じノイズリダクションをかけて録りこみます。
ノイズリダクションは色々な種類がありましたので、
注意が必要です。
ノイズリダクションでコーティングされたテープは、
録音、再生が同じデッキでなければ、
イコライザーカーブで加工しても、
ハイ上がりになるか、
ハイ下がりになりますので、
「イフェクト」の「BASE & TREBLE」で、
高域や、場合によっては低域も調整します。
ただ、高域を上げ過ぎると、
やはりノイズが被りますが。
ちなみに、店長の家では、
録音したデッキは既にかなり以前に壊れ、
今使用しているデッキで同じノイズリダクション(ドルビーB)をかけると、
ハイ下がりになります。
5.
出力ゲインを調整(たいてい低い)、
左右のバランスを調整して、
名前を付けてwavでファイルを保存します。
何だか難しそうなことをやっているようですが、
それほど難しくはありません。
かなり感覚的な作業です。
自宅のメインPCはデスクトップですが、
カセットデッキを置いてある部屋は別なため、
WINDOWSタブレットを使って音を取り込んでいます。
それをLANでつないで、
外付けハードディスクを別に用意し、
加工した音楽データを保存しています。
別にメインPCに保存してもいいんですが、
容量を食いますし。
WINDOWSタブレットは別の目的で購入したのですが
(中古で、PC買うよりも安かったし)、
残念ながら使う機会がなく、
部屋の片隅で眠っていました。
今回のカセットデッキからの録音で大活躍しています。
よかったよかった...無駄にならなかった(^^)。
それに、
PCから通常のアンプに音を送ってモニターするDACも、
これも実験しようと思って買った中国製の安いDACで、
長いRCAケーブルではノイズまみれの聞けた音ではなかったのですが、
短いケーブルをつなぐと、
けっこう聞けるようになりました。
これもまた無駄にならずに、よかったよかった...です。
なんか、安物機器のオンパレードみたい(^^;。
今はまだ店長はカット&トライの状態で実験段階ですが、
そのようにして調整した古いライヴ録音のエアチェックテープは、
カセットデッキで再生した時とは異なる(当たり前ですが)、
自分好みの音にすることができます。
カラヤンの1984年頃のライヴとか1988年最後の来日時のライヴとか、
その他もろもろ。
楽しみながら加工、再生を行っています。
いろいろやってみるもんです。