年末近くになると、
どういうわけか、
クラシックのソロ奏者による「映画音楽集」が出てきますね。
たいがい、
「シネマ・パラダイス」と、
「ミッション」より「ガブリエルのオーボエ」が入っていて、
選曲は似たり寄ったりです。
それでも、飽きずに出てきます。
今回も、フランスのヴァイオリニスト、
ルノー・カピュソンが「CINEMA」(邦題:シネマに捧ぐ)という題名で、
そのままのアルバムをリリースしました。
ルノー・カピュソンの演奏録音は、
いつの間にか棚に増えてしまいましたが、
非常に優れたヴァイオリニストです。
一時代を築いた、
ギドン・クレーメルとは個性が全然違いますので、
楽曲がダブっていても非常に楽しめます。
リサ・バティアシュビリという、
店長がどはまりしているヴァイオリニストとも、
かなり個性が異なりますので、
全然気にしないで、
これらのヴァイオリニストのアルバムを購入しています。
カピュソンの「CINEMA」は、
そのオーケストラの編曲、
演奏とも大変優れています。
非常にゴージャスな響きです。
なにより、
カピュソンのヴァイオリンのアゴーギグというより、
イントネーションが素晴らしく、
聞き慣れた音楽も新鮮に響きます。
全然見たこともない映画、
聞いたことのない映画音楽でも十分楽しめます。
1950年代、1960年代は、
オーケストラによるムード音楽が花盛りでした。
ムード音楽はイージーリスニングとも呼ばれていますが、
「ムード音楽」というと、
何だか妖しげでいいですね。
店長も子供の頃、
いろいろと聞いた記憶があります。
今でも聞きますが...。
マントヴァーニとかパーシー・フェイスとか。
ムード音楽のためのオーケストラの維持は、
経済的な問題で難しくなっているそうです。
ボストン・ポップスに代表される、
通常のオーケストラがムード音楽に近いコンサートを開催したり、
演奏録音が出たりしていますが、
昔のムード音楽とはその位置づけは異なるようです。
それに、
そのオーケストラを統率してゆく、
オーナーというか指揮者も少なくなっているようですし。
ムード音楽は絶滅危惧種なのでしょうか。
でも、
今回のルノー・カピュソンのような、
非常に良質なムード音楽と呼べるアルバムが、
忘れたころに思い出したようにリリースされてきます。
全部を確認できているわけは無論ないですが、
知っているヴァイオリニストのアルバムということで、
非常に分かりやすく購入してしまったわけです。
これから秋から冬にかけて、
優れたアレンジと演奏で、
映画音楽の素敵なメロディを堪能できるということでは、
この「CINEMA」というアルバムは超お勧めです。
「シンドラーのリスト」など、
パールマンによるサウンドトラックよりもさらに感動的です。