初心者用、レコードを聞くためのまとめ 発展編
レコードを聞くためのまとめ発展編は、
フォノイコライザー(アンプ)です。
アナログレコードは、
マスターテープの音をそのまま溝に刻むことはできません。
レコード用のイコライザーカーブで修正、
マスターを作るための
ラッカーディスクに刻んでゆきます。
そのイコライザーカーブが曲者で、
一筋縄ではいきません。
一応、MM、MCカートリッジは、
特殊なレコード以外、
どんなレコードでもトレースしてしまいますので、
イコライザーカーブを意識しないでも聞けてしまいます。
1960年以降のほとんどのレコードは
RIAAというイコライザーカーブの規格ですので、
アンプにフォノポジションがあっても、
RIAAカーブのみでの再生です。
それで不便なことはありませんから。
おそらく、
イコライザーカーブを気にしていないひとの方が多いと思います。
店長も、気にしていた方ではありません。
ところが、
1960年以降のレコードでも、
「え?これは本当にRIAAなの?」、
と思ってしまうレコードにいくつも突き当たり、
店長も認識を変えました。
最近、オーディオ雑誌にも、
イコライザーカーブのことを話題にしている記事が増えてきました。
元々、知人がCDの音をパソコンに取り込み、
イコライザーカーブを変えることのできるソフトがありますので、
それでNABとかAESというカーブで聞くと、
音が悪いと思ったCDでも、
見違えるほど音が変わった...という話が最初でした。
もう何年前の話だろう?...。
え?CDでも?
と半信半疑の人がほとんどだと思いますが、
実はその通りです。
かなり聴感上に差が出ます。
ただし、それはCDによります。
そのままの方が良いCDも数多あります。
いわゆる古い録音のCD化されたものですね。
さらにCDから遡ってLPが大きな問題です。
店長は、
たまたまフォノアンプが付いていないプリメインアンプを購入、
そのままではレコードを聞くことができませんので、
フォノアンプをほぼ一緒に購入したのでした。
そのフォノアンプには、
6つのイコライザーカーブがプリセットしてあり、
oldAESで聞いたトスカニーのチャイコフスキー/「悲愴」で、
「うわ!なんじゃこれは!」と驚いたのが最初でした。
その顛末は一度ブログに書きました。
その後も自宅に古いLPが増え、
あれこれ試すうちに止められなくなってしまいました(^^;。
さらにもう一台、
別のメーカーのフォノイコライザーを購入、
こちらは4種類のイコライザーカーブがプリセットしてあり、
ステレオ録音ではこれでもいいかもしれません。
イコライザーカーブを切り替えてよい方向に変わったレコードは、
その音のたたずまいが変わります。
高域にエネルギーが集中しているレコードの音が落ち着き、
雑味が少なくなるのです。
それに、オーケストラの録音では、
ピラミッドバランスを感じなかった演奏録音が、
見事にピラミッドバランスで再生され、
安定したバランスで聞くことができるレコードもあります。
逆に低域にエネルギーが集中して、
音がこもったようなボンついた音のレコードは、
イコライザーカーブによっては、
高域と低域のバランスがとれるようになり、
聞きやすくなったりします。
今までトーンコントロールで調整していた音が、
何の面倒もなく劇的に変化する場合もあります。
ただし、100%うまくゆくとは限りません。
どれもだめという、ひどい音のレコードもありますから。
古いレコードで、
ピアノの高音がキンキンして聞きずらいレコードや、
歌手の「サシスセソ」が嫌に強調されるレコードは、
オーバーハングや針圧、アンチスケーティングを疑うと同時に、
イコライザーカーブが合っていないんではないか?
と疑うべきです。
。
某大手レーベルのピアノの音に、
逆ピラミッドといってもいいほど、
いびつなバランスの音のレコードがありますが、
そのままでは自分にとって
「音の悪いレコード」になってしまって終わりです。
まず、イコライザーカーブを切り替えて聞くべきです。
実は、店長の買ったフォノアンプは、
いずれも廉価です(1台はネットオークションで激安でした^^)。
RCAピンケーブルは余分に用意しなければなりませんが、
これだけ面白い体験ができるのですから、
趣味の分野としては安上がりです。
もっと高価で微調整が可能なフォノイコライザーもありますが、
なかなか手が出ません。
いずれは...と思っているのですが。
いつのことになるやら。