LPが復活しそうと言われて久しいですが、
売れているのでしょうか?
よく分かりません。
ただ店長はこのところ、
幼児還りのようにLPをよく聞いています。
中古屋さんの格安餌箱を漁ったり、
CD時代になって処分を免れたLPなど、
あれこれ聞いては楽しんでいます。
LP特有のノイズや、
傷や埃に起因するピチパチノイズが嫌で、
CDに乗り換えたはずなんですが、
ノスタルジーというのか、
そういうノイズを含めて楽しんでいます。
もちろん、ひどいノイズは嫌ですが。
LPというと、
ヴィンテージになってしまった初期盤LPを思い描きがちですが、
店長が漁っているのは、
国内盤の比較的新しいプレスのLPです。
確かに、
「初期盤は音が凄かった」と言われればその通りだと思うのですが、
高価格で、
しかも古いLPはノイズが盛大な場合が多いですから、
「最初の音はどうだった」という部分には目をつぶって、
国内盤を漁っています。
中古LP専門店の中には、
国内盤の比較的新しいプレスのLPを扱わない店もありますが、
あればたいてい格安で、
自分の求めるLPで、
ノイズが少ないものが見つかると、
「やった!」という気になりますね(^^)。
ただ、盤面はきれいでもノイズだらけということもありますので、
格安中古盤は「当てもの」というか、
くじ引きのようなところはありますが。
今回取り上げるのは、
国内廉価盤でリリースされた、
クリフォード・カーゾンのピアノ、
ウィーン・フィル弦楽四重奏団による、
DECCA盤フランク/ピアノ五重奏曲です。
これはCDも持っているのですが、
廉価盤ながらLPの音が瑞々しく、
両面を一気に聞いてしまいました。
ノイズはほとんどなく、
良い買い物でした。
フランク/ピアノ五重奏曲は、
フランクが浮気をしていた時の情景を音にしたと言われており、
フランクの奥さんが「不潔な曲」といったという話があります。
でも音楽を無心に聞くと、
フランクの憧憬や生への慈しみのような情感が音化されているようで、
第1楽章から
センチメンタルでロマンティックな、
ひじょうに素晴らしい音楽になっています。
フランクは「交響曲」とヴァイオリンソナタ以外、
地味な印象が拭えませんが、
ピアノ曲やオルガン曲、室内楽にも、
魅力に富んだ作品が少なくありません
(作品全体はそれほど多くはありませんが)。
LPの格安処分品というと、
各社から出ていたバロック音楽や室内楽の廉価盤シリーズがあります。
餌箱から何枚か拾い出した中に、
ハインツ・ホリガーのオーボエ、
イ・ムジチ合奏団やそのほかの団体の、
アルビノーニやヴィヴァルディのオーボエ協奏曲集、
ディーリアスのヴァイオリンソナタなどがありました。
この分野はあまり人気がないのか、
格安でも傷やスレがなく、
ノイズもなくて「おお!」という名演が収録されていました。
CDとはまた違う趣でそれらの演奏録音を楽しめます。
そういうLPを求める人が増えると、
ライヴァルが増えて店長が困りますので(^^;,
あまり人には言いたくないのですが、
ヴィンテージもよいけど、
「LPを聞く」ということでは、
案外、狙い目なのかもしれません。