ロヴロ・フォン・マタチッチは、
店長のような世代のクラシックファンには、
NHK交響楽団の指揮者としてお馴染みの存在でした。
1965年から1984年にいたるまで頻繁に来日、
その指揮姿はテレビを通してみることができました。
ただ、マタチッチには正規メジャーレーベルへの録音が少なく、
レコードを聴こうと思っても、
なかなか聞けませんでしたし、
お馴染みではあっても華やかさはありませんでしたので、
「テレビで見る指揮者」というイメージが強かったです。
ところが、
NHK交響楽団とのライヴ録音があれこれリリースされたり、
SUPRAPHONやその他の音源が聞けるようになり、
状況が変わってきました。
特に、1984年3月7日の、
NHK交響楽団とのブルックナー/交響曲第8番のライヴ録音は、
「名演!」との誉れ高く、
その前に録音されたものやライヴ録音も再評価され、
数多くのマタチッチの録音が聞けるようになりました。
LP時代よりも、CD時代になってからの方が、
マタチッチを聞けるということでは、
恩恵が大きいかもしれません。
古い録音を廉価盤CDボックスでリリースしているレーベルに、
VENIASがあります。
最初はアンドレ・クリュイタンスのボックスから始まり、
今はかなり増え、
どれだけあるのか店長にはわからなくなってしまっています(^^;。
中にはオリジナルレーベルのものより優れた音のものもあり、
どこから音源を引っ張ってきたのだろう?
と、ファンの間で話題になったりしました。
そして、ごく最近、
9枚組のマタチッチのボックスがリリースされました。
「1954-1962」とありますから、続くのでしょうか。
モノラルとステレオが混在しています。
1枚目にフィルハーモニア管弦楽団との、
チャイコフスキー/「ロメオとジュリエット」幻想序曲
リムスキー=コルサコフ/「シェエラザード」
ステレオ録音が収録されています。
実は、
店長はいままでこの録音を聞いたことがありませんでした。
たまたま、QUADRALのスピーカー、
ASCENT20LEの試聴機が家に来ていますので、
早速試聴してみました。
驚きました。
録音が極めてよく、
マタチッチのスケールの大きな、
それでいて各楽句を大切にしてゆく演奏に、
「へ~、あれあれ」と聞き惚れてしまいました。
「ロメオとジュリエット」は、
今まで聞いてきた同曲の演奏録音の中では、
非常に水準の高い録音ですし、
「シェエラザード」では、
「ここまでやるか!」という金管楽器の咆哮や、
スケール感豊かなメロディの歌わせ方に、
「こりゃ、凄いな」と一気に聞いてしまいました。
多くの指揮者による「シェエラザード」が軟弱に聞こえてしまうほど、
この演奏録音は凄いです。
正規で出たLPやCDを聞いていませんので、
どの程度音が変わっているのか分かりませんが、
VENIASのボックスで今は満足できています。