ビクトリア・ロス・アンヘレスは、
フリューベック・デ・ブルゴスのファリャや、
アンドレ・クリュイタンスのフォーレ/レクイエムなど、
昔から聞いていました。
録音も多いし、日本にもよく来日するしで、
何を聞いていたのか、にわかには思い出せないほどです。
でも、店長の聞く音楽の中心は、
現代音楽から始まり、
時代をさかのぼってドイツ・オーストリア系の、
それも交響曲やシリアス系の音楽が中心でしたので、
オペラやサルスエラが中心のロス・アンヘレスのレパートリーと、
自分の聞く音楽がずれていて、
よく聞いてはいたのだけど、
関心の中心からは外れていた、
というのが本当のところです。
オペラをよく聞くようになったのは、
おじさんになってからですし...。
そんな店長が、
貰いもので、
その存在を忘れていたLPレコードをたまたま棚から発見、
聞いて衝撃に近い感動を得てしまったLPが、
ロス・アンヘレスのメンデルスゾーン/「歌の翼に」が入ったアルバムでした。
最近、声楽をよく聞きます。
ワーグナーの楽劇が中心のようなところがありますが、
店長はかなり以前から、
アメリカの黒人歌手バーバラ・ヘンドリックスが好きで、
ルチア・ポップもあれこれ集めていたことがあります。
さらに年齢を重ねると人恋しくなるのか(^^;、
最近では歌曲を聞くことが以前より多くなったりしています。
歌曲は今まで聞く専門ではないので、
気になった録音を手あたり次第、
というところはありますが、
ロス・アンヘレスはノーマークでした。
若いころはロス・アンヘレスを知らず、
ロス・アンヘレスがおばさんになってからしか知らない...
という男性側の勝手な理屈にもよりますが。
ところがところが、LPを聞いて「歌の翼に」を聞き、
その天国的な美しさにノックアウトされてしまったのでした。
そうなると、あれこれ聞いてみたくなります。
幸い、ロス・アンヘレスの、
様々な録音を集めて7枚のCDに収めたボックスが発売されています。
早速、飛びついて購入しました。
以来、そのボックスは座右の書物のように、
作業部屋の一番手の届くところに置き、
暇を見つけてはあれこれ聞いています。
カントルーブ「オーヴェルニュの歌」もよかったし、
歌劇「ボエーム」から「私の名はミミ」で大感動、
「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」では、
その清楚な歌声にうっとりとしました。
店長はロス・アンヘレスの古くからのファンというより、
最近、俄かにファンになったという、
付け焼刃的ファンといえます。
まだ、その残されているオペラ全曲は聞いていないし、
フリューベック・デ・ブルゴス指揮ファリャ/「三角帽子」や、
アンドレ・クリュイタンス指揮フォーレ/「レクイエム」でも、
ロス・アンヘレスは歌っているのですが、
強い印象は残っていず、
たまたま聞いた名曲集的なアルバムで、
一発でファンになった、というところがあります。
でも、ロス・アンヘレスの実力というか、
歳をとってもその可憐な歌声、
ここぞという時の表現力、
しっかりとした音程に、
「すごい歌手だったんだなぁ…」と、
改めて思うのでした。