ウジェーヌ・イザイといえば、
6曲の無伴奏ヴァイオリン・ソナタが有名で、
おそらくそれしか有名ではないと思います。
無伴奏ヴァイオリン・ソナタは、
腕に自信のあるヴァイオリニストなら、
一度は挑戦したい楽曲なのでしょう。
店長の家にも、いくつか同曲の録音があります。
でも、最近イザイの管弦楽を含んだ音盤を聞き、
その素晴らしさに驚くとともに、
すっかり作曲家としてのイザイ・ファンになってしまったのでした。
イザイはアメリカでも活躍しましたが、
ベルギーの作曲家、ヴァイオリニストで、
晩年は指揮者としても活躍しました。
1858年生まれですから、
マーラーよりも2歳年上で、
作曲家としての作風は、
ドイツ・オーストリアの後期ロマン派にドンピシャです。
ベルギーはフランス文化と密接な関係がありますが、
同時代の作曲家で、
例えばドビュッシー等とは幾分音楽の志向は異なるようです。
店長は株式会社マーキュリーが輸入販売している、
「弦楽器のための協奏的作品集」
「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的作品集」
という2枚のアルバムを購入してみましたが、
どちらも作品として素晴らしく、
演奏もよいことから、
このところ大変気に入っています。
ベルギーのレーベル”Musique en Wallonie”のリリースで、
ベルギーの優秀な演奏家総出演の観があります。
ジャン=ジャック・カントロフがヴァイオリンではなく、
指揮に回っているのですね。
今回取り上げる、
「弦楽器のための協奏的作品集」は、
イザイが「詩曲」と名付けた楽曲群で、
後期ロマン派の楽曲であるとともに、
イギリス音楽のウネウネと続く情感もあり、
抒情的で、
しかもスケールが大きく、壮大な個所もあります。
マックス・レーガーと相通じる箇所もあるかもしれません。
店長はけっこう飽きずに何回も聞いています。
イザイという作曲家は、
最初に書いた通り無伴奏ヴァイオリン・ソナタ以外、
あまりその作品は有名ではありませんが、
もっともっといろいろな楽曲を聞かれてもよい作曲家だと、
つくづく思いました。