モーツァルトのピアノソナタ、
なんていうと、
いかにも地味で通好みのような感じがしますが、
実際、楽曲によっては、
かなり地味で通好みです(^^;。
ところが、
モーツァルトの短い晩年に作曲された後期ピアノソナタは、
楽曲は単純なのに、
絶品ともいえるはかない美しさを有しています。
特に、K.570、576はじっくり聞くと、
涙が出るほど、美しい楽曲です。
店長がモーツァルト/ピアノソナタを聴き始めた頃、
K.570はピアノソナタ第16番ですが、
新モーツァルト全集では第17番、
K.576はピアノソナタ第17番ですが、
新モーツァルト全集では第18番です。
つまり、K.576はモーツァルト最後のピアノソナタです。
モーツァルト/ピアノソナタ全集で、
店長のお気に入りはイングリット・ヘブラーによる全集ですが、
単体ではそれぞれ異なります。
モーツァルト最後のピアノソナタ集は、
クラウディオ・アラウのものがもっとも聞く頻度が高いです。
店長は、モーツァルト/ピアノソナタ全集を購入すると、
まずこの最後のピアノソナタ2曲から聞き始めるのですが、
アラウ盤の懐深さというか、
単純な楽曲なのに、のめりこんで聞いてしまう…
という演奏録音には、他に出会えていません。
少しゆっくりしたテンポの重めの演奏ながら、
単純でいて美しく、
また美しいのに哀しいというのは、
凄いことなんだろうと思います。
全編が素晴らしいですが、
特に緩徐楽章は聞くたびにその美しさと哀しさを再発見しています。
同CDには、
アダージョ K.540も収録されていて、
これもまた聞きものです。