まだ寒い日もありますが、
阪神地方はようやく暖かくなり、
本格的な春の予感が濃厚になってきました。
もうすぐ、桜吹雪で道路の掃除が大変な季節になるのですね。
「春」というと、
店長が真っ先に頭に思い浮かぶのが、
シューマンの交響曲第1番です。
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタや、
ヴィヴァルディ「四季」の中の「春」、
コープランド「アパラチアの春」、
ドビュッシー「春」など、
そのほかにも春にちなんだ楽曲は数多いのですが、
最近はシューマンの交響曲が真っ先に思い浮かんでしまいます。
でも、
シューマン/交響曲第1番「春」が元々好きだったのかというと、
それがそうでもなく、
明るい曲想の、劇的要素が少ない楽曲ですので、
クラシックを聴き始めたころは、
あまり好きな楽曲とは言えませんでした。
むしろ、交響曲第3番「ライン」や第4番の劇的な音楽や、
緩徐楽章が魅力的な交響曲第2番が好きで、
第1番を敬遠していたようなところがあります。
ところが、
シューマン若書きの第1番が、
現在では最も好きなシューマンの交響曲になってしまいましたので、
音楽を聴く趣味とはわからないものです。
確か、ラファエル・クーべリックのCBSへの録音から始まったような記憶があります。
その後、様々な第1番を聞きましたが、
少し古いですが、
渋めのフランツ・コンヴィチュニーの全集盤がよくなり、
さらに、やはり古めの今回のジョージ・セル盤が店長のお気に入りです。
セルは、シューマンの交響曲のオーケストレーションを改編した
グスタフ・マーラー版ではなく、
自身が手を入れたジョージ・セル版を使っています。
シューマンの交響曲はワーグナーの頃から、
「オーケストレーションが下手だ」と定評があり、
店長は全くそうは思っていないのですが、
いろいろな作曲家、指揮者が手を入れた版による演奏が多いです。
シューマンはピアノ曲の作曲家という先入観が強すぎるのかもしれません。
でも、店長はシューマンの交響曲や室内楽曲が大好きです。
セル盤はレコード時代からの付き合いです。
第2番から第4番は他の指揮者にマイ・フェヴァリッツがありますが、
第1番を聞き直し、
セル盤を大きく見直したことがありました。
シューマン/交響曲第1番は影の部分の少ない交響曲で、
劇的な音楽を好む人には、あまり好まれないかもしれません。
でも、作曲家の若かりし頃の覇気と青春の息吹を、
これほどよく伝えている楽曲も稀です。
店長はなぜか、
春というとシューマン/交響曲第1番と、
シューベルト/交響曲第5番がことのほか聞きたくなるのでした。