モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲は、
大変美しくて、しかも楽しく、
心が浮き立つような楽曲です。
日本人好みの表題がありませんので、
「フルートとハープのための協奏曲」では、
なんだか堅苦しく感じ人があるかもしません。
「ウキウキ気分」とか「幸福」なんて題名が付いていれば、
大ヒットしていたかもしれませんね。
店長も、
何か失敗をやらかして落ち込んでいるときとか、
なんとなく気分がすぐれないときなど、
同曲をよく聞きます。
演奏録音には、
ジャン=ピエール・ランパルのフルート、
リリー・ラスキーヌのハープ、
ジャン=フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団の、
それこそ王様のようなエラート(ERATO)盤があります。
これは発売レコード会社を変え、
再発され続けていますが、
同曲の王道を行く、
まさしく優れた演奏録音で間違いありません。
「典雅」とか「優雅」という言葉がぴったりです。
店長は同盤が廉価盤で出たとき、
20枚ほど買占め、
プレゼント用に利用したりしました。
グランドスタイルから古楽器にいたるまで、
ひじょうにたくさんの演奏録音が出ています。
店長がパイヤール盤以外で最も気に入っている演奏録音は、
多少地味ですが、
ヨハネス・ワルターのフルート、
ユッタ・ツォフのハープ、
オトゥマール・スウィトナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏録音です。
パイヤール盤の少し過剰とも思える華やかさを押さえ、
格調高く、真正に同曲を演奏しているような清々しさがあります。
「プラモデルのバリを取った」感じといえば、
プラモデルを作ったことのある人にはわかりやすいかもしれませんね。
女性には化粧を落としてすっぴんになった清々しさというか…。
テンポもよく、
これは大変優れた演奏録音だといえます。
スウィトナー盤はドイツ・シャルプラッテンがレーベルで、
海外ではETERNAシリーズで出たり、
日本では徳間書店がジャケットを変えて何回も再発、
キング・レコードも復刻盤を出しています。
すでに今はない東ドイツで製作された録音ですので、
現在は恵まれているとはいえないレーベルですが、
ジャケットは違えど、スウィトナー盤を見つけたら、
迷うことなく購入してください。
次、いつ、どのような状態で入手できるか分かりませんから。
モーツァルト好きだけではなく、全てのクラシックファンに是非盤です。