あらいぐま堂のブログ更新は、
年内では最後となります。
みなさん、良い年をお迎えください。
さて、前回「ベン・ハー」サウンドトラックを取り上げたら、
無性に映画音楽が懐かしくなってしまいました。
聖書映画にこだわる必要もないのですが、
今回取り上げるのは、
1966年製作のイタリア・アメリカ合作映画「天地創造」です。
ディノ・デ・ラウテンテス製作、ジョン・ヒューストン監督の超大作です。
そして、音楽はなんと日本の黛敏郎でした。
クラシックを聞く前、
店長は子供のころ映画音楽が好きで、
お年玉をためてはよくレコードを買っていました。
映画「天地創造」のサウンドトラックは映画公開よりもだいぶ遅れて発売され、
店長は待ちきれずに黛敏郎「涅槃交響曲」という、
現代音楽バリバリのレコードを買ってしまうのですが、
「天地創造」の映画音楽とはまったく違いました。
それでもめでたく「天地創造」サウンドトラックは発売され、
店長も手にすることができました。
でも、子供時代の店長の家には、
小さなレコードプレーヤーがあるだけで、ステレオがありません。
「天地創造」の音楽は壮大ですので、
やはりステレオで聞きたいですよね。
そこで、友人の家に家具調ステレオ「宴」
(家具調ステレオって分かるひとはいるのかな?)というのがあったので、
レコードを持って行っては聞かせてもらいました。
初めて「宴」で聞いた「天地創造」に、
店長は大興奮した記憶があります。
「天地創造」の音楽は、
最初、ゴッフレド・ペトラッシという、
イタリアの大家の手で進められていましたが、
ジョン・ヒューストンのイメージと合わず、
「バベルの塔」の場面だけ、
黛敏郎に作曲が依頼されました。
ところが、
その「バベルの塔」の音楽がジョン・ヒューストンのイメージと合ったため、
映画全部の音楽を黛敏郎が書くことになりました。
全編、メロディアスで非常に格調の高い音楽に仕上がっており、
なかなか素晴らしいです。
特に、映画館では流れた記憶のないメイン・タイトルが素晴らしく、
今でもそのメイン・タイトルを聞くためにLPを取ってあります。
でも、日本では今だにCDでは出ていません。
画像は国内発売のLPのものです。
実は、CDは海外では発売されたことがあったのですが、
価格が非常に高く、
買うのを躊躇しているうちに市場から消えてしまったのでした。
「天地創造」は旧約聖書の創世記前半の映画化です。
今、映画を見直すと、
アラブ圏での物語のはずが、
出てくる俳優はみな欧米人ですので、
変といえば変な映画なのですが、
公開当時はジョン・ヒューストンの骨太の演出、
壮大な物語に素直に感動したものでした。
LPのジャケットは、
イヴ役のウラ・ベルグリッドという、
スウェーデンのとてもきれいな女優さんでしたが、
やはり、アダムとイヴが金髪というのは、
なんとも...という気がしますね。
黛敏郎は、この後、政治的な発言が多くなり、
せっかくファンになった店長は少し辟易とするのですが、
映画「天地創造」の音楽には、
いまだに心が躍るのでした。
どこか、CD化してくれないものか...。
LP、傷ついちゃって...。