今年も早10月、
年末がだんだんと近づいてきました。
年末になると、ベートーヴェン/交響曲第9番の季節です。
まえに、第9を取り上げたことがあったのか、
記憶の彼方になってしまいましたので、
ダブってもいいや、と、今回は第9を取り上げます。
店長が子供の頃は、
交響曲第5番が「運命」と呼ばれ、
最初に聞いたベートーヴェンの楽曲がその「運命」であった...
という人も多いのではないかと思います。
店長もそうでした。
誰の演奏か忘れてしまった17cm33回転2枚組LP(シングル盤の大きさ)からでしたが、
とにかく「運命」から始まりました。
でも、昨今は第9から...という人が多いかもしれません。
年末の風物詩とともに、
第9がそれだけポピュラーになったといえるのかも知れません。
第9はコンサートも音盤もそれこそイヤというほど聞いてきましたが、
音盤で一番思い出に残っているのは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のCBS盤です。
この演奏録音は年末になるとたまに聞きますが、
やはり、凄い演奏だな、と思います。
セル盤にはフルトヴェングラーやクレンペラーのドラマはありませんが、
少し速めのテンポのエネルギッシュな演奏で、
第1楽章から第4楽章まで、間然とすることなく聞くことができます。
第3楽章などは、さすがにフルトヴェングラーなどの演奏の方が好きですが、
第1楽章の息せき切るように始まり、やがて雷が落ちるような響きは、
セル盤は今もって大好きな演奏録音です。
有名な「合唱付き」第4楽章も素晴らしく、
子供の頃から聞いてきたセル盤の影響は、
店長の中に今でも残っているようです。
セルが亡くなって、早いものですでに45年です。
セルが亡くなってから、
本当の意味での恐い指揮者は少なくなってしまったのかも知れません。
セルは今では地味な過去の指揮者になってしまいましたが、
もっと聞かれてもいい指揮者ではないかと、
折につけ、感じてしまいます。