2015年、今年の夏は暑いです。
阪神地方は、まだほんの少しましのようですが、
ニュースで関東地方や四国の38度や39度という気温を見ると、
気が遠くなりそうです。
もっとも阪神地方もアスファルトで町が覆われているため、
体感温度は40度を超えています。
まるで、風呂に入っているようです。
ただ、風呂では頭はお湯から出していますので、
酷暑は頭の先からつま先まで、
暑いというより熱いのですね。
夏というと水辺が恋しくなります。
今回取り上げるのは、「やすらぎ」という邦題が付けられた、
キング・レコードのLONDON(DECCA)盤です。
かなり昔(いつごろだったか忘れた)に購入したLPです。
キング・レコードからCD黎明期にもCDでリリースされましたが、
CD初期盤は同じジャケットで、
店長はLP、CDともこの古い同じデザインのジャケットのものを持っています。
イギリスDECCAで出たLPはもっと違ったジャケットだったようですが、
店長は最初に出会った、
この「いかにも涼しげ」のジャケットが気に入っています。
なんだか、清流を眺めながら涼を得ているようで、
「いかにも夏」という雰囲気がなんともいえません。
逆に、冬にこのジャケットを見ると、
「う~、寒!」となってしまうのですが...。
ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団
(本当は”Academy of St. Martin-in-the-Fields”と名前が長いです。
まあ、略称は”The Academy”ですので、
日本風の略称、アカデミー室内管弦楽団でもいいように思えますが)
の比較的短いディーリアスの管弦楽曲集が集められた演奏録音で、
それほど声高にならないウネウネと続く優しい音楽が、
瑞々しく演奏されています。
ディーリアスというと、
古くはトーマス・ビーチャムや
ジョン・バルビローリの演奏録音が頭に浮かびますが、
店長が初めて聞いたディーリアスがこのマリナー盤でした。
マリナーのディーリアスの録音はこの一種類だけのようです。
イギリスの指揮者ですので、
もっと録音があってもよさそうに思いますが
(店長が知らないだけで、他にも録音があるのかもしれません)、
このマリナーのDECCA録音は大変素晴らしく、
他の指揮者、オーケストラによるディーリアスを聞くようになっても、
店長の中では特別の位置を占める演奏録音です。
ディーリアスの音楽は、
優しく、哀しく、慰撫されるような独特な音楽です。
「夏」を題材にした音楽もあれこれ作曲していますが、
「夏のギラギラ」ではなく、
「夏の夜の優しい風」を思わせる、
とっても素敵な音楽です。
...さぁ、今夜はこれを聞こう...