ヴィヴァルディ/「四季」は、
「和声と創意への試み」という協奏曲集に含まれている4つの協奏曲で、
「春」「夏」「秋」「冬」それぞれ3つの楽章から成っています。
「四季」という題名はヴィヴァルディがつけたものではないそうですが、
それぞれにソネットがついているそうですので、
そのソネットの季語から「四季」という題名が生まれたのかもしれません。
この辺りは店長はまったくの浅学のため、
よく分かりません。
「四季」はステレオが普及しはじめた頃、
クラシックを少しでも聞く家庭なら「一家に一枚レコードがある」的な、
非常にポピュラーな楽曲でした。
それも、ほとんどが
フェリックス・アーヨのヴァイオリン、イ・ムジチ合奏団による演奏録音で、
驚くほど普及していました。
どこのお宅に行ってもあったような…。
ただ、店長はへそ曲がりですので、
クラシックを聞き始めた頃、
カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団のDECCA盤を
聞いていました。
ただ、ミュンヒンガー盤はいかにもドイツ風の固めの演奏で、
イ・ムジチ盤を買った後、
やっぱりイ・ムジチの方がいいなあ...と思ったりしましたが。
以来、数が多いことは確かですが、
「四季」をどれくらい聞いたのか憶えていません。
イ・ムジチ合奏団は「四季」をアーヨ版の後も何回か録音していますので、
それを含めて、
カラヤン盤、小澤盤、パイヤール、マリナー盤やイタリア合奏団盤、
アーノンクール、イル・ジャルディーノ・アルモニコやファビオ・ビオンディなど、
新しいものも古いものも含めて、
あれこれ「四季」を聞いて楽しんできました。
アーノンクール盤が今まで聞いた中で一番革新的で刺激的だったかな?
さらに、ヴァイオリニストであれば、
一度は「四季」に挑戦するものかもしれません。
そういえばクレーメルやムター盤もあったし、
日本のヴァイオリニストによる「四季」もあれこれ聞きましたっけ。
でも、自分のイメージに合う「四季」にはなかなか出会えず、
今まで聞いたものの中でのお気に入りは、
ヘンリク・シェリングがイギリス室内管弦楽団と演奏した録音(確かPHILIPS)と、
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団の録音です。
特にホグウッド盤はLP時代に接してから、
「四季」を聴く上では、
最もターンテーブル(今だに当時のLPを持っています)や、
CDプレーヤーのトレイに入る一番のお気に入り盤です。
ホグウッド盤は古楽器による演奏録音ですが、
それほど新しいことをやっているという、
刺激的な演奏ではありません。
むしろ、瑞々しくて、
しかも、造形がしっかりしている割にはおとなしやかな「四季」で、
録音も清々しく、
これは何回聞いても飽きませんでした。
今でもホグウッド盤が一番好きかな?
通奏低音にリュートが使われていたり
(トレヴァー・ピノック盤も確かリュートが使われていたと記憶しています)、
それまで聞いてきた「四季」とは違った楽しみもあります。
ほとんど誰でも知っている「四季」のメロディを、
新しい斬新な演奏で聞くのも悪くありませんが、
あまりに新奇にやりすぎると珍奇になってしまいます。
やはり安定した瑞々しさはぜひ欲しいですね。