ウィンナ・ワルツは、
日本では(実際は世界中ですが)
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが元旦に放送されることから、
元旦だけウィンナ・ワルツを聞く…
という方も多いのではないかと思います。
店長は気が向けば、
年がら年中ウィンナ・ワルツを聞いています。
ウィンナ・ワルツをよく聞くようになったのは、
もちろんクナッパーツブッシュの影響で、
DECCAのセッション録音からでした。
DECCAのセッション録音には、
「加速度」ワルツ、「ウィーンの森の物語」など、
決定的ともいえる演奏も含まれていますが、
やはり「バーデン娘」という、
カレル・コムツァーク(コムザック)Ⅱ世が作曲した、
あまり一般的ではないウィンナ・ワルツが大変面白く、
おそらくファンも多いのではないかと思います。
クナッパーツブッシュの「バーデン娘」には4種類の録音が残されています。
1941年盤ベルリン・フィルとのHMV録音
1950年盤ベルリン・フィルとのライヴ録音
1955年盤バイエルン国立歌劇場管弦楽団とのライヴ録音
1957年盤ウィーン・フィルとのDECCA録音
「バーデン娘」は、その他の指揮者による録音は少なく、
店長が聞けたものは以下の通りです。
ロベルト・シュトルツ指揮によるウィンナワルツ全集
ウィリー・ボスコフスキー指揮によるウィンナ・ワルツ選集 EMI盤
アーサー・フィドラー指揮によるボストン・ポップスのLP(CDでは見たことがありません)
NAXOSの兄弟レーベル、MARCO POLOのコムツァーク編
クナッパーツブッシュの「バーデン娘」はどれも聞き応えがありますが、
QUADRALのフロア型スピーカーで1950年ライヴを聞いたときには(Audite盤)、
たまげるほど凄い音を聞くことができました。
1950年は第2次世界大戦後、
クナッパーツブッシュがベルリン・フィルの指揮台に復活した一連の録音のもので、
演奏も凄いですが、
比較的録音もよく、聴衆の感動ぶりも素直に伝わってきます。
ただ、1957年のDECCA盤以外はモノラルですので、
やはりステレオ録音されたDECCA盤が通常では薦めやすいです。
コムツァークⅡ世はワルツよりも行進曲の作曲の方が多かったですので、
「バーデン娘」も行進曲と親近性があります。
最初は小太鼓、そして行進曲風になり、
やがて目くるめくようなワルツが展開してゆきます。
途中、金管楽器の咆哮があったり、
実に面白いです。
しばらく、この録音の入ったCDは廃盤状態でしたが、
最近、TOWERレコードのヴィンテージシリーズでリリースされました。
ジャケットはLP初出時のものです。
まだ、ヨハン・シュトラウスⅡ世の像が金色のピカピカに磨きあげられる前の写真で、
くすんだように真っ黒ですが、こちらの方が味があるような…。
コムツァークⅡ世は、
お父さんもカレル・コムツァーク、
息子もカレル・コムツァークで、
3代続いてカレル・コムツァークです。
しかも、3代のコムツァークとも作曲をしたそうですので、
ひじょうにややこしいですね。