ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」は、
その昔、交響曲第5番でした。
店長がクラシックを聞き始めた頃、
第9(5)番というような書き方をしたLPがまだ残っていました。
第1番から第4番までは存在しなかったのでしょうか?
店長が中学校に入りたての頃、
ブラスバンド部に籍を置いていた連中からの影響で聞く音楽は、
まず、この「新世界」交響曲第4楽章でした。
金管の咆哮が「かっこいい!」というのが大きな理由です。
「アイーダ」の凱旋行進曲もそのうちのひとつですが、
小学校高学年のころか、中学校に入った頃か、
そのあたりの記憶が曖昧です。
もうひとつ、
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番の第4楽章も人気がありましたっけ。
これも金管の咆哮が「かっこいい」ですね。
友人のレコードや自分のレコード、
中学の音楽室で聞かせてもらったレコードなど、
いったいどれが自分の初聞きであったのか、
もう分からなくなってしまいました。
当時、店長の持っていたレコードは、
17cmLP2枚組で、30cmLPとは異なります。
さて、誰の演奏だったのかは記憶のかなたです。
意識して最初に聞いた「新世界」交響曲は、
やはり、カラヤン指揮ベルリン・フィルのDG盤だったでしょうか。
近所のお姉さんの借り物で聞きました。
ただ、そのレコードは生意気にもあまり好きな演奏録音ではなく、
カラヤンの「新世界」交響曲は、
後のEMI盤を聞いて自分の評価を変えたようなところがあります。
やはり、ご他聞にもれず、
一番よく聞いた「新世界」交響曲は、
イシュトヴァン・ケルテス指揮ウィーン・フィルのDECCA盤でした。
これは今でもベストチョイスに選ばれているように、
大変優れた演奏記録だと思います。
ところが、そのすぐ後にリリースされた、
ケルテスのドヴォルザーク交響曲全集の一環として録音された
ロンドン交響楽団とのレコードを聞き、
一発で自分のファヴァリッツを乗り換えてしまいました。
ケルテス指揮ロンドン交響楽団の録音は、
通常の演奏ではカットされる第1楽章の繰り返しを演奏していること、
そして、その節くれだったアゴーギグにショックを受け、
今だにそのショックを引きずっているようなところがあります。
第1楽章繰り返しは、
通常のカットした録音を聞きなれていると
「え~!?あれ?」というように、
大きな肩透かしを食らってずっこけるような面白さがあります。
さらにウィーン・フィル盤の流暢さを否定するような、
ゴツゴツとした演奏です。
ケルテスのロンドン交響楽団との演奏録音は、
大変面白いです。
その他の「新世界」交響曲の録音では、
カラヤンのEMIへの録音のほかでは、
クラウス・テンシュテット指揮ベルリン・フィルのライヴ録音、
フェレンツ・フリッチャイ盤、
キリル・コンドラシン盤などが店長の好みでしょうか。
一時期、お国ものとも言える、
カレル・アンチェル、ヴァーツラフ・ノイマン、
さらに古くはヴァーツラフ・ターリッヒなども好んで聞いていました。
「新世界」交響曲は
通俗名曲になってしまったような観がありますが、
ケルテスやコンドラシン盤で聞くと、
「あれ?こんなに凄い曲だったのか!」と
今でも驚くようなところがあります。