ドヴォルザーク/交響曲第8番は、
最初に出版された国にちなんで「イギリス」とも呼ばれますが、
その表題の割にチェコ情緒が満載の楽曲で、
交響曲第9番「新世界より」とともに、
ひじょうに人気の高い楽曲です。
第1楽章から琴線をくすぐるメロディーが魅力的で、
第3楽章は非常に美しく、
第4楽章では「ああ、交響曲を聞いたなぁ…」と大満足できる、
派手やかで輝かしく終結します。
昔から名演、名盤の多い楽曲で、
解説本をあれこれ見ると、
数多くの推薦盤が並んでいます。
店長が初めて聞いた同曲の録音はLPで、
カラヤン指揮ウィーン・フィルのDECCA盤でした。
カラヤンはオーストリア出身、ドイツで活躍した指揮者です
(全世界で活躍したといってもいいですが)。
それでも、ドイツ・オーストリア以外の圏内の楽曲の指揮も大変優れていて、
チャイコフスキーや、ドヴォルザークも大得意にしていました。
今聞いても、大変な名盤だと思います。
店長はこのところドヴォルザークを頻繁に聞いていますが、
最近入手したCDの中で、
ジョージ・セルがチェコ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した、
1969年ルツェルン音楽祭のライヴ録音に大感動しました。
セルはCBS時代、そして晩年のEMI時代にも、
ドヴォルザーク/交響曲第8番の録音を残しています。
両方とも非常に優れた録音で、
特にEMI盤を第一に推薦している人も少なくありません。
ルツェルン音楽祭のライヴ盤は、
オーケストラがセルのオーケストラともいえる
クリーヴランド管弦楽団ではなかっからか、
合奏精度は高いのに、どこか暖かみある響きがします。
セルの指揮も、第3楽章など非常に美しく、
「あれ?ここでテンポを変えるのか…」と、
聞きなれているセルの演奏録音とは少し異なる即興性があったりします。
最後の聴衆の熱狂も凄まじく、
その熱狂にまったく違和感を感じさせないほど、
第1楽章から第4楽章フィナーレの爆発まで、
非常に優れた演奏録音を聞くことができます。
たぶん、ドヴォルザーク/交響曲第8番では、
もっとも聞くべき価値の高い録音のひとつだといえます。
最近のCD生産はダウンロード音源に押され、
最初のロットをプレスしたらそれで終わり、
ということが多いですから、
同曲が好きな方、これから聞いてみようという方には、
是非盤でお薦めします。