今年の夏は8月に台風が来たり大雨が降ったりと、
なかなか大変です。
大きな土砂災害に見舞われた広島郊外の住宅地は、
店長が前職でよく伺っていたところなだけに、
その町並みをよく覚えていますので、
人事とは思えません。
その騒がしかった夏ももうすぐ終わります。
「夏の終わり」は森山直太朗ですが(いい曲ですね)、
夏らしさ…と記憶を引っ掻き回すと、
クラシックでは、
ヘンデル/「水上の音楽」、「王宮の花火の音楽」も頭に思い浮かびます。
ヘンデルが作曲した楽曲はかなり多く、
その中心はオペラです。
マルク・ミンコフスキが
ヘンデルの優れたオペラ録音をいろいろと残すようになって、
ヘンデルは「ああ、やっぱりオペラの作曲家なんだなぁ」と
思えるようになりましたが、
以前はヘンデルのオペラというと「ジュリアス・シーザー」くらいで、
管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲が聞く中心でした。
店長の場合は、
その筆頭が「水上の音楽」でした。
この楽曲は録音も多かったですし。
最初はジョージ・セル指揮のDECCA盤だったでしょうか。
「水上の音楽」は古楽器での演奏も盛んで、
最も刺激的だったのはニコラウス・アーノンクール指揮の録音でしょうか。
ただ、ジャケットが「水上の音楽」をより髣髴とさせ、
録音された音楽も瑞々しかったのが、
トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンソートの録音です。
まずジャケットに採用された絵画が素晴らしく、
ピノックの録音から、
絵画そのままの音が聞こえてくるようです。
ここに描かれた「水上」は泥水となって人家を襲う濁流ではなく、
極めて透明で雄大な光景が目に浮かぶようです。
ヘンデルの楽曲は宮廷用や貴族向けに書かれたものが多いですが、
ピノックの演奏から、
そのような機会音楽を越えた、
ヘンデルの雄渾な音楽が聞こえてきそうです。
録音も大変素晴らしいです。
賑やかさもひとしおですので、
この夏が終わるまでに、もう一度聞きなおそうと思っています。